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アルビト株式会社Blog
風力発電施設は、大規模な構造物であるタワーやブレード、発電機などから構成されており、これらを維持管理するには高い技術と労力が必要です。維持管理の一つに風車の落雷対策です。風力発電施設には、ブレードに取り付けられている金属（レセプター）で落雷を受け止め、その電流を地面に流すための導線が取り付けられています。この導線が断線していたりすると落雷によるブレードの損傷につながる可能性があり、風力発電事業者には定期的に電気が流れているかを確認する「導通検査」が義務付けられています。
これまでは重機やロープワークでの点検が行われてきましたが、この方法は、時間がかかる上に作業員の安全性にも配慮する必要があり、特に悪天候時やアクセスが困難な場所での作業はリスクが伴います。
こうした課題を解決するために、アルビトは従来の手法とは一線を画すソリューションを開発しました。それが、ドローンを活用した導通検査（※1）と断線箇所検知プロダクトを組み合わせた、断線箇所の特定と現場でのメンテナンス対応までを短期間で実施できる導通検査ソリューションです。
（※1 中部大学と中部電力での共同研究）
今回の本ソリューションのメリットについて詳しくご紹介します。
＜導通検査関連ソリューションの概要＞
従来の導通検査では、作業員が高所での作業を行う必要があり、転落や機器の落下などのリスクが常に伴います。特に、強風下や雨天時など、風力発電施設が設置される場所特有の厳しい環境では、作業員の安全確保のため作業を中断することも余儀なくされました。
アルビトのドローン導通検査では、ドローンの活用により作業員による高所作業の必要がなくなり、地上から安全に設備の検査を実施できます。これにより、作業中の事故リスクを大幅に削減し、安全性が飛躍的に向上しました。
ドローンを用いた導通検査は、従来の手法と比較して、作業時間を大幅に短縮できます。1基の導通検査を行う際、従来の方法では準備作業を含めて約5時間かかりますが、ドローンを用いることで1ブレード当たり3分程度、検査全体では約1時間で完了させることができます。これにより、風力発電施設の稼働停止時間を最小限に抑え、発電効率を高めることが可能です。
導通検査の後に、補修に向け断線箇所を正確に把握する必要があります。アルビトでは特許を取得した独自の断線箇所検知プロダクトを用いることで、断線箇所を数cm単位で特定することができ、不要なブレードの開口作業や大規模な修理を回避できます。従来の手法では、断線箇所の特定に時間がかかり、全体の作業効率が低下することが課題でしたが、アルビトのソリューションを導入することで、ピンポイントでの修理が可能となり、作業負担の軽減とコスト削減を実現します。
従来では、導通検査や断線箇所特定を行った後、別日に補修対応は行っていましたが、アルビトのソリューションでは、導通検査後の補修対応に至るまで現場でのメンテナンス対応が可能です。検査~補修に関する風力発電施設のダウンタイム期間が短くなることで、風力発電施設の稼働期間が増え、さらなるコスト削減効果が見込めます。
さらにこれらの検査・補修データをダッシュボードとして可視化することで、過去の断線箇所や補修対応が一目でわかるようになり、作業計画の立案や補修作業の効率化が図られ、現場での判断が迅速かつ的確に行えるようになります。
このソリューションは、綿密な現場実証を経て2024年春から商用サービスを開始し、すでに複数のサイトや、複数のメーカーに対し検査実績をあげており、事業者様からの高い評価をいただいております。
アルビトは設備メンテナンスの効率化に向けて風力発電事業者だけでなく、関連する多くの企業や研究機関とも連携し、新たな技術開発やサービス・プロダクトの開発を進めることで業界全体の発展に貢献していきます。
アルビトでは、一緒に未来を創るメンバーを募集しています。
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